低温アルミ溶接棒は、バーナーで溶かしてアルミを溶接することができるものだが、実際に使ってみた結果、付かない(のらない)で使い物にならないとなっていた。

はんだ付けや溶接する前に塗布するフラックスを確認したところ、ステンレス用でアルミニウムには使用できないものであったので、アルミニウム用フラックスを自作することにしました。

ハッコーサスゾールFのフラックスはアルミには使えない

ここで自作するアルミニウム用フラックスは、ステンレスのはんだ付けにも使える方法です。

アルミニウム用フラックスを自作するのに必要な物

アルミニウム用フラックスを自作するには、金属亜鉛と塩酸を含む溶液が必要になります。

金属亜鉛は、マンガン乾電池を分解して亜鉛を取り出すことができます。

塩酸を含む溶液は、トイレ用洗浄剤のサンポール、または、ナイスを使用します。

電池は必ずマンガン乾電池を分解してください。間違ってもアルカリ乾電池を分解しないでください。

マンガン乾電池を分解して金属亜鉛を取り出す方法

単三のマンガン乾電池を分解する場合

単三マンガン乾電池を分解

マンガン乾電池は、新しい方が内部も綺麗で、綺麗な金属亜鉛を取り出すことができます。

マンガン乾電池が錆びている場合には、金属亜鉛も腐食していて、ほとんど取り出せないことがあります。

単三のマンガン乾電池がこの状態でしたので、ご参考にしてください。

単三マンガン乾電池の外装の金属カバーにカッターで切れ目を入れる

単三のマンガン乾電池を分解して金属亜鉛を取り出す方法は、まず、外装の金属カバーにカッターで切れ目を入れます。継ぎ目がある場合には、その部分にカッターで切れ目を入れると良いと思います。

単三マンガン乾電池の外装の金属カバーを剥がす

次に、ラジオペンチやニッパーなどで、外装の金属カバーを剥がします。

単三マンガン乾電池の絶縁用フィルムを剥がす

絶縁用のフィルムが出てくるので、カッターで切れ目を入れて剥がします。

マンガン乾電池の金属亜鉛が腐食している

絶縁用のフィルムを剥がすと、金属亜鉛が出てきます。

この単三のマンガン乾電池は、金属亜鉛が腐食していて、ほとんど取り出せないですが、綺麗な状態の金属亜鉛であれば、カッターで切れ目を入れて、ラジオペンチで金属亜鉛を剥がします。

単一のマンガン乾電池を分解する場合

単一マンガン乾電池の外装の金属カバーを剥がす

単一のマンガン乾電池を分解して金属亜鉛を取り出す方法は、まず、外装の金属カバーに継ぎ目があるので、ラジオペンチやニッパーなどで、外装の金属カバーを剥がします。

単一マンガン乾電池の絶縁用フィルムを剥がす

絶縁用のフィルムが出てくるので、カッターで切れ目を入れて剥がします。

単一マンガン乾電池の黒鉛電極棒を抜く

中央の黒鉛電極棒を引き抜きます。

硬くなっていて黒鉛電極棒を引き抜けない場合もありますが、今回使用するのは金属亜鉛の缶のみですので、棒やラジオペンチの先などで、中をほじくり中味を全部出してください。

単一マンガン乾電池の中身

セパレータや黒いペースト状の二酸化マンガンの粉が大量に入っています。

黒鉛電極棒や二酸化マンガンの粉も、他の用途で再利用することができます。

※手が汚れるので、軍手やゴム手袋などを着用して作業してください。

単一マンガン乾電池の金属亜鉛缶

単一のマンガン乾電池の金属亜鉛は、缶の形をしています。

金属亜鉛と塩酸(サンポール・ナイス)でアルミニウム用フラックスを作る

マンガン乾電池の金属亜鉛をハサミで切る

金属亜鉛は、単一のマンガン乾電池のものを使用します。

マンガン乾電池の金属亜鉛は、ハサミで切ることができます。

ただし、少し硬いので、刃が駄目になってもいいハサミを使用するのが良いと思います。

マンガン乾電池の金属亜鉛をハサミで切って細かくした

ハサミで単一のマンガン乾電池の金属亜鉛を、細かく切りました。

切り方はお好みで。

カットした金属亜鉛は、プラスチックの蓋付き容器に入れます。

蓋付き容器に入れた金属亜鉛と塩酸を含む溶液

そして、塩酸を含む溶液のサンポール、または、ナイスを容器の中に入れます。

塩酸を含む溶液を蓋付き容器に入れて金属亜鉛と混合

塩酸と反応して亜鉛が溶け始めます。このまま放置で塩化亜鉛が出来上がります。

これで、アルミニウム用フラックスは完成しましたが、最適な濃度は分からないので、塩酸を混ぜて、自分が使いやすいように(はんだ付けやアルミ溶接が付く(のる)ように)調整してみてください。

塩化亜鉛が少な過ぎても、塩酸が少な過ぎても良くないみたいなので、最適な割合をご自身で決めてください。

容器の蓋をして保管

作成したアルミニウム用フラックスを入れた容器の蓋は、しっかりと閉めて保管してください。塩酸なので、蓋をしないと、鉄などが錆びてしまう原因になります。

以上です。