北海道余市郡余市町潮見町にある奇岩「ローソク岩」を、一番近くから撮影してきました。この記事では、ローソク岩にまつわる昔話(伝説)や、現在の高さになるまでの地形の変化、余市漁港で撮影した写真とその現場体験、そして展望駐車場からの眺めとの違いについてご紹介します。

神の怒りと赦し、ローソク岩にまつわる昔話

北海道余市町の北部、豊浜町の沖合に浮かぶ「ローソク岩」。その名の通り、海に突き出た姿が燭台のように見えるこの岩は、古くから“男性の神”として地元の人々に崇められてきた神聖な存在である。

ある日、海草を採りに来ていた一人のメノコ(アイヌの女性)が、何気なくその岩の上に登ってしまった。すると突然、空が暗転し、海が荒れ狂い始めた。驚いたメノコは、命からがら集落へと逃げ帰ったという。

その夜から、海は激しいしけに見舞われ、ついには津波が発生。周辺の集落は大半が波に飲まれ、漁もほとんどできなくなってしまった。人々は「女性が神聖な岩を汚したことで、神の怒りを買ったのだ」と語り継いでいる。

神の怒りを鎮めるため、村人たちは岩の近くに祭壇を設け、神々に赦しを願った。するとその夜、ローソク岩の東端に円盤のような燈火がともった。それは「神の怒りが解けた」というお告げとされ、以降、海は穏やかさを取り戻し、再び魚が豊かに獲れるようになったという。

この物語は、自然への畏敬と神々との共存を伝える、地域に根ざした貴重な伝承として、今も静かに語り継がれている。

北海道に点在する“ローソク岩”豊浜町沖の奇岩とその変遷

余市町豊浜の沖合約550メートル、日本海に浮かぶ「ローソク岩」。無人島であり、「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」の一部にも指定されている。

海面からの高さは約45メートルほど。細長く鋭くそびえ立つ姿が印象的である。かつては丸みを帯びた太い岩だったが、1940年に発生した積丹半島沖地震の津波によって半分に割れ、現在の形になったと伝えられている。さらに2016年には先端の一部が欠け、より鋭角なシルエットへと変化した。

小樽から積丹半島へ車を走らせると、海岸沿いには断崖が連なり、沿岸には奇岩と呼ばれる珍しい形の岩が点在している。ローソク岩もその一つで、自然の造形美と地形のダイナミズムを感じさせる存在として知られている。

なお、「ローソク岩」と呼ばれる岩は北海道内に複数存在しており、豊浜町のほかにも、利尻郡利尻町、苫前郡苫前町、久遠郡せたな町、厚岸郡浜中町、釧路郡釧路町と、計六ヶ所に点在している。それぞれの地域で名の由来は異なるが、実際に見てみると、どれも“ローソク岩”と呼ばれることに納得できる独特の形状をしている。

自然が刻んだ造形と、地域に根ざした呼び名。その両方に触れることで、北海道の海岸線が持つ深い魅力が、静かに浮かび上がってくる。

ローソク岩を余市漁港から3つの焦点距離で撮影した写真

すべてフルサイズカメラで撮影した写真です。

焦点距離75mm・300mm・500mmの3種類で、余市漁港からローソク岩を撮影しました。

距離によって見え方がどう変わるか、実際の写真でご覧ください。

焦点距離:75mm

余市漁港から焦点距離:75mmでローソク岩を撮影した写真

焦点距離:75mmでは、遠景に浮かぶローソク岩。

全体の風景の中に、さりげない存在感。

焦点距離:300mm

余市漁港から焦点距離:300mmでローソク岩を撮影した写真

焦点距離:300mmでは、中距離で見える輪郭。

ローソク岩の形がはっきりしてくる。

焦点距離:500mm

余市漁港から焦点距離:500mmでローソク岩を撮影した写真

焦点距離:500mmでは、迫力のローソク岩が眼前に。

まるで目の前にあるような臨場感。

下手くそな写真ですが、焦点距離の参考になれば幸いです。

ローソク岩のアクセスは?ナビで迷わず行けます

ローソク岩は、余市町の海岸沿いから望むことができる奇岩です。

Googleマップのナビを使えば、迷わず現地までたどり着けました。

ローソク岩を一番近くから見たい場合には、余市漁港(島泊)にナビをセットしてください。

ローソク岩展望駐車場に行きたい場合にも、ナビをセットすることで迷わずに行けると思います。

■地図

余市漁港(島泊)でも数台駐車可能です

ローソク岩展望駐車場には専用の駐車スペースがありますが、余市漁港(島泊)でも数台程度なら駐車することができました。

余市漁港(島泊)の駐車場までの行き方

突き当りを右に行くと、

余市漁港(島泊)の駐車場スペース

駐車スペースがあります。

余市漁港(島泊)で釣りをする人

余市漁港(島泊)では、釣り人の姿も多く見られました。

夕陽とローソク岩、狙いどころはここ

昔はもっと近くでローソク岩を眺められる展望台がありましたが、現在は余市漁港(島泊)から見るのが最も近いポイントだと思います。

周辺にはトンネルが増えていて、気づかずに通り過ぎてしまうこともあるため、意識して立ち寄らないと見逃してしまいます。

一方、現在のローソク岩展望駐車場は岩からの距離はありますが、夕陽撮影には適した場所です。ローソク岩と夕陽の位置関係が良く、望遠レンズを使えば印象的な構図が狙えると思います。

四季折々のローソク岩の撮影を、ぜひ楽しんでみてくださいね。

以上です。