
USBメモリにPCのデータを移行しようとしたところ、4GB以上のファイルは大きすぎるといったメッセージが表示され移せない問題は、1つのファイル移行の容量制限を4GB以上にできるフォーマット形式に変更することで解決します。この方法についてご紹介します。
目次
4GB以上のファイルをUSBメモリに移せない原因と解決策

Linux(Ubuntu)で録画した動画ファイル(4.82GB)をUSBメモリに保存しようとしたところ、コピー中にエラーが発生しました。ファイルのsplice中にエラーが発生しました:ファイルサイズが大きすぎます。というエラーメッセージが表示された。
Linux(Ubuntu)は、Windowsと互換性があり、USBメモリを使うことができるので、最初はUSBメモリが壊れたかと思ったが、他の原因であることが分かった。
1つのファイルが4GB以上のファイルをUSBメモリに移せない原因は、USBメモリのファイルシステムが「FAT32」になっていることで、4GB以上のファイルをUSBメモリに保存しようとすると、転送途中にエラーが出て保存ができない、または、途中までしか保存ができないのだ。
Windows PCには、USBメモリをフォーマットする時に、ファイルシステムのフォーマット形式を「FAT32」、「exFAT」、「NTFS」の3種類の中から選び変更することが可能です。
解決策は、USBメモリのフォーマット形式で、「exFAT」、「NTFS」のどちらかを選択することで、より大きなファイルサイズをサポートするファイルシステムになり、1つのファイル移行の容量制限を4GB以上にすることができるようになります。
USBメモリのフォーマットは、Linux(Ubuntu)でも行うことは可能ですが、フォーマット専用ソフトが標準で組み込まれているメインPCのWindows 10・11で行うことにします。
まず、フォーマット形式(「FAT32」、「exFAT」、「NTFS」)の詳細、USBメモリをフォーマットする際の注意点と、Windows 10・11でのフォーマット方法を順番に解説します。
フォーマット形式「FAT32」、「exFAT」、「NTFS」
FAT32(File Allocation Table 32-bit)
FAT32のフォーマット形式では、1つのファイルの最大ファイルサイズは4GBまでとなっており、そのため4GB以上のファイルをUSBメモリに保存することはできません。
例えば、4GB以上の動画ファイルや、4GBを超える大きな圧縮ファイルを扱う際には、この制限が問題となることがあります。
さらに、FAT32のファイルシステムにはパーティションの最大容量が2TBという制限もあり、このためUSBメモリや外付けハードディスクでよく使用されていますが、大容量ストレージには不向きな形式です。
ただし、FAT32は古いデバイスやゲーム機で推奨される場合もあるため、特定の用途では非常に便利です。
また、互換性の面では、Windows、Mac、Linuxに対応しているため、多くの環境で使用できます。
exFAT(Extended File Allocation Table)
exFATのフォーマット形式では、1つのファイルの最大サイズは、実際の環境では128ペタバイト(PB)程度が上限とされています。そのため、大容量の動画やバックアップファイルでも問題なく保存することが可能です。
・パーティションの最大容量:実質的に無制限(理論上は128ペタバイト)。
・大容量ストレージデバイスへの対応:外付けハードディスクやUSBメモリでも優れた柔軟性を発揮します。
・互換性:Windows XP以降、macOS 10.6.5以降、およびLinux(カーネル5.4以降でネイティブ対応)で幅広くサポートされています。
ただし、古いデバイスや特定の機器では、exFAT形式が認識されない場合があるため注意が必要です。それでも、FAT32に比べて柔軟性が高く、高解像度動画の移動や大容量バックアップ用途に最適なフォーマットとされています。
NTFS(New Technology File System)
NTFSのフォーマット形式では、1つのファイルの最大サイズは、理論上16エクサバイト(EB)(実際はストレージの制限次第)とされています。そのため、非常に大きなデータも保存可能です。
・パーティションの最大容量:理論上256テラバイト(TB)。
・内部ストレージや外付けドライブに適したフォーマット。
・互換性:Windowsで最適化されており、Macでは読み取り専用になりますが、ドライバーをインストールすることで書き込みも可能になります。
USBメモリのフォーマット形式を変更する際の注意点
USBメモリのフォーマット形式を変更するには、中身のデータを消去してフォーマットを行うため、データのバックアップは必ず行ってください。
フォーマット形式の選択は、使用用途や対応OSに合ったフォーマット形式を選んでください。
■フォーマット形式の選択
・FAT32:幅広い互換性がありますが、4GB以上のファイルを扱えない制限があります。
・exFAT:クロスプラットフォームで使用する場合や大容量ファイルを扱う場合に適しています。
・NTFS:Windows専用の高性能フォーマット。ただし、MacやLinuxでは追加ドライバーが必要な場合があります。
・ext4:Linux専用のフォーマットで、WindowsやMacとは互換性がありません。
■クイックフォーマット
USBメモリのフォーマット形式を変更する際に、クイックフォーマットを選択して、高速に処理を行うこともできますが、完全なデータ消去ではないため、セキュリティ上の懸念がある場合は「完全フォーマット」を選んでください。
Windows 10・11でUSBメモリのフォーマット形式を変更する方法
フォーマット形式が決まりましたら、後はUSBメモリをフォーマットするだけです。

まず、タスクバーにある「エクスプローラー」をクリックします。開きましたら、サイドメニューにある「PC」をクリックします。
すると、上記の画像のように「デバイスとドライブ」が表示されます。
USBメモリをPCに挿入し認識されていれば、「デバイスとドライブ」に表示されています。
ここでは、USBメモリのことをUSBドライブとして説明します。
ファイルシステムの確認

Windows 10の場合は、USBドライブの上にマウスカーソルをのせることで青色に変化しますので、右クリックしてコンテキストメニューを表示させて、一覧の中にある「プロパティ」をクリックします。
Windows 11の場合は、USBドライブにチェックを入れてから、先述した操作を行ってください。

ファイルシステムの確認は、種類:USBドライブの下に表示されています。
FAT32のフォーマット形式になっているので、1つのファイルが4GB以上のファイルの場合には、USBメモリに保存ができないです。
4GB以上のファイルをUSBメモリに保存ができる「exFAT」に変更する
ここでは、1つのファイルが4GB以上でもUSBメモリに保存ができ、且つ、Windows、mac、Linux(カーネル5.4以降でネイティブ対応)のOSでも使えるように、「exFAT」のフォーマット形式に変更します。

Windows 10の場合は、USBドライブの上にマウスカーソルをのせることで青色に変化しますので、右クリックしてコンテキストメニューを表示させて、一覧の中にある「フォーマット」をクリックします。
Windows 11の場合は、USBドライブにチェックを入れてから、先述した操作を行ってください。

フォーマット画面になりましたら、ファイルシステムをクリックして、選択項目を出します。
ここでは、FAT32(既定)から、「exFAT」を選択して変更します。
Windows専用であれば、「NTFS」がおすすめです。

ファイルシステムが、「exFAT」になっていることを確認し、「開始」ボタンをクリックするとフォーマットが始まります。
フォーマットオプションの「クイックフォーマット」にチェックを入れたままでもOKです。ただし「完全フォーマット」ではないので、時間のある方はチェックを外して行ってください。ただし、かなり時間がかかります。
確認

今回は、Linux(Ubuntu)で録画した動画ファイル(4.82GB)をUSBメモリに保存ができなかったので、FAT32(既定)から、「exFAT」にフォーマット形式を変更しましたが、きちんと認識し問題なく保存もできるようになりました。
また、Windows 10・11でも、USBメモリに保存した動画ファイルの動作確認も問題ありませんでした。
以上です。