北海道・積丹町にある神威岬(読み:かむいみさき)。岬の遊歩道「チャレンカの小道」を実際に歩き、展望広場から神威岩と積丹ブルーに染まる海を写真に収めてきました。この記事では、そのときに撮影した景色を写真とともにご紹介しています。
目次
神威岬展望台広場までの散策ルートと写真で現地の見どころをご紹介
積丹半島の突端に位置する神威岬。その展望台まで続く散策路「チャレンカの小道」を歩きながら、道中で目にした風景や見どころを写真とともにご紹介します。女人禁制の門や断崖絶壁、灯台、展望台、神威岩、電磁広場、岬を囲む積丹ブルーの海など、実際に歩いたからこそ感じられる景色を収めました。
神威岬 遊歩道入口

神威岬自然公園の駐車場から広場にある公衆トイレ側に歩いて行くと、「風に吹かれてしゃこたんブルーの観光案内碑」があります。その奥に神威岬自然公園の遊歩道入口があります。

遊歩道の入口は、出口としても利用されています。

神威岬自然公園の遊歩道は、途中まで舗装されており歩きやすいですが、遊歩道「チャレンカの小道」の方に行くと、足元は砂利や土に変わっていきます。
また、神威岬の遊歩道は階段やアップダウンが多く、道幅が狭い箇所や砂利・土の路面もあるため、歩きやすい運動靴やスニーカーでの散策をおすすめします。
また、神威岬の遊歩道は、ほとんど日陰がなく、灯台付近を除いて涼める場所がありません。夏場は日差しが強くなるので、帽子や飲み物を用意して、無理のないペースで歩くのが安心です。
登山ではないですが、登山に行く格好がベストです。
案内板

「神威岬自然公園遊歩道 チャレンカの小道」の案内板です。入口に入る前に、観光案内碑などもありましたが、この案内板が最後になります。
休憩広場

神威岬 遊歩道入口から約7分の所に休憩広場があります。

休憩広場にはベンチが設置されており、座って休憩することができます。
散策路は道が狭く、日傘をさして歩くのは邪魔になりますが、休憩広場には日陰がないので、日傘があると良いですね。

休憩広場で写真撮影を楽しむ観光客も多くいます。海外から観光に来た人も多かったです。
神威岬はコバルトブルーの澄んだ青い海に囲まれており、積丹ブルーとも呼ばれています。とても海が綺麗なので写真に収めたい気持ちになります。

休憩広場からすぐの場所に「女人禁制の門」があります。
女人禁制の門

積丹町には、源義経にまつわる伝説が語り継がれています。
アイヌの娘チャレンカは、北へ向かう義経を慕い、その後を追って神威岬までたどり着きました。
しかし、到着したときにはすでに義経の船は出帆した後。
深い悲しみに暮れたチャレンカは、「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐれば、すなわち覆没せん」と言葉を残し、岬から身を投げたと伝えられています。
その姿は神威岩となり、今も岬の先端に立ち続けているといわれています。
この伝説に由来し、神威岬は長らく女人禁制の地とされてきました。
女性の通行が許されるようになったのは、安政2年(1855年)以降のことです。
現在も岬の入口には「女人禁制の門」が設けられており、当時の歴史を今に伝える象徴的な存在となっています。門は安全管理のために開閉時間が定められており、強風や悪天候時には閉鎖されることもあります。
念仏トンネルビューポイント

「女人禁制の門」から約6分の所に「念仏トンネルビューポイント」があります。
ただ、「女人禁制の門」をくぐってすぐの場所で写真撮影をする人が多かったです。
とにかく日本海の積丹ブルーがとっても綺麗なので、青い海を撮影したい気持ちになるのはとっても分かります。

こんな感じに積丹ブルーがとっても綺麗なんですよ。
念仏トンネルとは
かつて神威岬の灯台守とその家族は、屋根伝いに海岸へ下り、岩場を越えて余別村まで買い出しに出かけていました。
しかし大正元年(1912年)10月、灯台守の家族3人が荒波にさらわれ、命を落とすという痛ましい事故が起こります。
この出来事に心を痛めた村人たちは、灯台までの安全な通路を確保しようとトンネルの掘削を決意。
岬の両側から掘り進めましたが、途中で方向がずれてしまい、工事は一時中断されました。
その後、村人たちは念仏を唱えながら鐘を鳴らし、音を頼りに掘削の方向を定めていきました。
こうしてトンネルは無事に貫通し、現在も「念仏トンネル」としてその名が残されています。

遊歩道を少し歩いて「念仏トンネルビューポイント」らしき所で撮影したいと思います。

その途中、西側の日本海を撮影しましたが、とっても綺麗な積丹ブルーと景色でした。
休憩広場で撮影するよりも、良い構図になるのでは?

おそらく、「念仏トンネルビューポイント」付近で撮影した東側の日本海です。

神威岬の海は、どこで撮影しても綺麗なコバルトブルーの色をしています。
ただ、海岸に流れ着いたゴミが目立っていましたね。
遊歩道チャレンカの小道

「遊歩道チャレンカの小道」に入ると、道幅がぐっと狭くなり、一人ずつしか通れない箇所が続きます。すれ違う際は道を譲り合いながら、神威岬展望台広場を目指します。

歩いてきた道をふと振り返ると、小道の先に連なる山々が海へと傾き、まるで陸と海の境界線を描いているようでした。
神威岬灯台

「念仏トンネルビューポイント」から約20分の所に「神威岬灯台」があります。
神威岬灯台とは

神威岬灯台は、明治21年(1888年)8月25日に初点灯され、昭和35年(1960年)に無人化されるまでの72年間、延べ87名の灯台守とその家族が岬の先端にある官舎で生活しながら勤務していました。
灯台守が常駐していたのは1960年までだが、神威岬灯台は現在も自動点灯式の現役の灯台として稼働中で、航行する船舶の安全を見守り続けている。
現在、神威岬自然公園内の「カムイ番屋」2階では、灯台守たちの厳しい暮らしや地域とのつながりを伝える展示が行われています。
中でも注目は、国内で唯一現存する1876年頃にフランスから輸入された「第一等不動レンズ」です。
これは神威岬灯台で2代目のレンズとして使用されていたもので、2022年に約60年ぶりに積丹町へ里帰りし、一般公開されています。
神威岬展望台広場(神威岩)

神威岬灯台から少し歩くと、神威岬展望台広場が見えてきます。

神威岬の先端には、地図のような模様が刻まれた丸い石台がある。
そのまわりの床には、誰かがそっと投げた小銭がいくつも散らばっていた。
願いを込めたものなのか、それともこの場所に何かを感じた記念なのか。
風が絶え間なく吹き抜ける断崖の上で、その静かな光景を見つめていると、
この地に宿る“カムイ(kamuy)”――アイヌ語で“神”を意味する霊的な存在――の気配が、今も息づいているような気がした。
神威岩

神威岬展望台広場の先端からは、神威岩が眼下に見えます。
「女人禁制の門」で説明した通り、アイヌの娘チャレンカが岬から身を投げ、海からそびえ立つ神威岩となり、今も岬の先端に立ち続けているようでした。
数枚、神威岩の写真を撮影しました。


神威岩だけではなく、神威岬の先端からは、ほぼ300度にわたる水平線が見渡せ、湾曲した海の地平線が体感できます。

神威岬展望台広場にはベンチがあり、座って休憩することもできます。

神威岬の先端で景色を堪能したあとは、来た道をそのまま引き返し、電磁広場と展望広場へ行きます。
電波台広場(電磁台)
「女人禁制の門」の右側(東側)には、電波台広場があります。ここには、電波探知施設(電磁台)が現在でも残っています。
電磁台(電波探知塔)の歴史

神威岬では、明治37年(1904年)5月6日、岬に設置されていた無電所が、沖合にウラジオ艦隊の出没を受信し、大騒動に発展したという記録が残っています。
翌年の明治38年(1905年)5月6日にも、神威岬の沖にロシア軍艦が現れたとの報を受け、周辺が緊迫した状況に。
その際、住民の安全確保のため、灯台が一時的に消灯されたという出来事もあったそうです。
その後の昭和15年(1940年)には、ロシア軍の北海道上陸に備えて、神威岬に無線塔1基とレーダー3基の設置が計画され、昭和17年(1942年)に完成しました。
現在残るこの構造物は、当時の電波探知施設(電磁台)の名残とされています。
電波台広場から神威岬を撮影した風景写真

電波台広場から神威岬を撮影してみましたが、岬全体や積丹ブルーの日本海の景観を撮影するのに良いですね。

ズームレンズがあれば、電波台広場からでも、神威岬灯台までなら撮影できてしまいます。上の写真はフルサイズカメラ・ズームレンズ85mmで撮影しました。
展望広場

「電波台広場」から、さらに上に行く道があります。

坂道を登って行くと、てっぺんに展望広場が見えてきます。

「電波台広場」から約7分の所に「展望広場」があります。

「展望広場」から下に降りていける小道があり、

ここからも、神威岬の全体風景を撮影することができます。

展望広場(すぐ下の撮影スポット)からの撮影は、写真に草が入ってしまうこともありますが、

ちょっと移動して撮影すると、写真に草が写らないように撮ることもできました。

神威岬の風景写真を撮影していた時に、たまたま写真に写っていた黄色の花「エゾカンゾウ」は、初夏に咲くようです。
神威岬の所要時間
神威岬 遊歩道入口から、先端の神威岬展望台広場までは片道約30分、往復で約1時間かかります。
写真撮影や休憩をすると、往復で1時間以上かかります。
カムイ番屋で食事もする予定であれば、神威岬での所要時間は2時間ほど見ておくと良いでしょう。
観光シーズンは6月中旬から8月にかけて。ウニ漁の解禁時期と重なり観光客が増えますが、夏休み前の6月は比較的混雑が少ないようです。
神威岬自然公園の営業時間(開園時間)
神威岬自然公園の営業時間(開園時間)は、季節によって違います。
■4月
8:00~17:30
■5月
8:00~18:00
■6月
8:00~18:30
■7月
8:00~18:00
■8~10月
8:00~17:30
■11月
8:00~16:30
■12~3月
10:00~15:00
強風や大雨の際には、遊歩道の散策は禁止です。
入園時間は、閉鎖する時間の1時間前までとなります。
■入場料、駐車場の料金無料
■休館日:12月31日~1月5日までの6日間
■通行止めや閉鎖、時間変更など、さらに詳しい情報は公式サイトにてご確認ください。
☑https://www.kanko-shakotan.jp/
神威岬自然公園の住所・駐車場
■住所:北海道積丹郡積丹町神岬町92
■地図神威岬自然公園までの行き方は、ルート検索が便利です。(ナビとしても利用可能)
■駐車場

神威岬自然公園の駐車場は、第1駐車場と第2駐車場があります。

第1駐車場は一般乗用車やオートバイの駐車場で、第2駐車場は大型バス(観光バス)専用と一般乗用車やオートバイの駐車ができます。合計で約170台ほどの駐車が可能です。
注意点は、閉園後は出入口の管理ゲートを通過できなくなり、閉園時間までに退園しないと、翌日まで車両の出し入れができなくなります。
神威岬自然公園の施設

第1駐車場の奥の広場がある場所に公衆トイレがあります。
敷地内には自動販売機が数台設置されており、夏場の水分補給にも安心です。

「しゃこたんブルーソフトクリーム」を販売するソフトクリーム屋があります。
■しゃこたんブルーソフトクリーム
500円税込
■甘えびから揚げ
500円税込
■イカから揚げ
500円税込
■チーズドック ミニ
600円税込
■ブルーラムネフロート
840円税込
などを販売しいます。(2025年6月観光時のメニューと値段です)

カムイ番屋では、食事やお土産を買うことができます。
また、カムイ番屋2階には、歴史的文化遺産の「第一等不動レンズ」が展示されています。入場料は無料です。営業期間:4~10月、休館日:荒天時・店舗休業中等となっています。
神威岬自然公園へ行ったけど、「第一等不動レンズ」を見るのを忘れた方は、こちらのサイトで写真付きで見ることができます。☑https://toudai.uminohi.jp/report/post-5952/
神威岬自然公園は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に含まれるエリアで、北海道で唯一、海域公園に指定された特別な場所です。きっと訪れて良かったと思えるはず。皆さんも、ぜひ神威岬の積丹ブルーを堪能してみてください。
以上です。